年金制度改革法案のポイント
・社会保険への加入などで手取り収入が減る106万円や130万円の「年収の壁」対策
公的年金の制度改革法案をめぐり、与党内での議論が本格化した。29日には自民党が年金委員会を開いた。法案には社会保険への加入で手取りが減る「年収の壁」対策などを盛り込む一方、少数与党で国会を乗り切るため、最大の争点だった基礎年金(国民年金)の底上げ策は実施の判断を先送りすることに。法案の具体的内容とは。与野党は一致点を見いだせるのか。
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今回の年金制度の見直しでは、厚生年金の加入条件を緩和したり、なくしたりして、パートなどの短時間労働者らが加入しやすくする。
厚生年金は給付が手厚く、老後の低年金対策としても期待される。だが具体策をめぐっては、労使折半の保険料を新たに負担する小規模の企業への影響を懸念する声もある。
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政策の柱となるのが、厚生年金の年収「106万円の壁」の撤廃だ。現行は「従業員51人以上の企業で週20時間以上働く、月額賃金8万8千円(年収約106万円)以上の人」が対象。このうち賃金の「年収106万円以上」という条件をなくす。
ただ、厚生年金の保険料(保険料率18.3%)は労使折半で支払うため、加入によって働く人と企業の双方に新たな負担が生じる。そこで働く人向けに、企業側が保険料の負担を「肩代わり」できる3年間の特例措置を導入する。一方、企業にも負担した保険料の一部を還付する支援策を設ける。申請なしでの還付を想定している。
さらに、厚生年金の加入促進…